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脉状診と比較脉診


◆脉状診 (陰陽脉診)


● 四大病証を推定し、治療方針(鍼の運用)を決定する脉診である。
● 病因・病症・病位を判断する。
● 表面で診る。
● 六祖脉と呼ばれる、浮沈・遅数・虚実を診る。


◇ 浮沈は病位(陽分にあるか陰分にあるか)を表す。

診方 : 脉の表面と腱とを比べて浮沈を判断する。
 ※重要 患者の手関節が掌屈や背屈すると正しい脉を診ることができなので、手関節を正しい位置において診る。
鍼の運用 : 浮いていれば鍼を浅く刺し、沈んでいれば深く刺す。


※次の方法でも浮沈を判断する事ができる。

1:中脉を基準にして、中脉よりも上に厚みがあれば浮脉、下に厚みがあれば沈脉とする。
2:一度脉を押しつぶして、その指の力を抜く。すると押さえられていた脉が上へ跳ね上がってくるが、その跳ね上がり方が大きく、元の位置に戻るのが遅い脉が浮脉。逆に跳ね上がり方が小さく、元の位置に戻るのが早い脉が沈脉となる。


◇ 遅数は寒熱(冷えか熱か)を表す。

診方 : 一呼吸間に四回を平、三回以下を遅、五回以上を数、というのを目安にする。
鍼の運用 : 早ければ速刺速抜、遅ければ留める。


◇ 虚実は病の勢力(強いか弱いか)を表す。

診方 : 中がしまっていれば実、空虚ならば虚と診る。脉の大きさは関係がない。
鍼の運用 : 虚ならば補法中心、実ならば瀉法中心。


代表的な脉で四大病証の例を挙げる。

浮数実 陽実証
沈遅実 陰実証
浮数虚 陽虚証
沈数虚 陰虚証

※陽実証とは、陰陽ともに強く、その中でもより陽が強い状態をいう。



◆比較脉診 (五行脉診)


最終的に病証を決定し、脉状診によってたてた治療方針を、実際にどの経絡を対象とするのか、どの経穴を使うのかを決定する脉診である。

六部定位である、寸口・関上・尺中のそれぞれ陰分・陽分のうつ強さを比較して診る。



● 六部定位の配当部位

患者の右手なら術者の左手の示指があたる所を寸口、中指があたる所を関上、薬指があたる所を尺中。

▼患者右手
[寸口]沈めて肺、浮かせて大腸。[関上]沈めて脾、浮かせて胃。[尺中]沈めて命門、浮かせて三焦。

▼患者左手
[寸口]沈めて心、浮かせて小腸。[関上]沈めて肝、浮かせて胆。[尺中]沈めて腎、浮かせて膀胱。

比較脉診の際には陰分と陽分での脉のうつ強さを診断基準とし、その強さが陰陽間で最も差のあるところを主症とするのである。

六部定位間での強さを比べてはいけない。



■ 邪

脉の流れの中に違和感・異物感。
浮かせていって、脉が感じなくなっても指についてくる感覚。
強いから邪ではない。


■ 命門の脉 (先天の原気)

この脉を基準にして、他の脉が、強くうっていれば実体、弱くうっていれば虚体。


■ 中脉 (胃の気の脉)

後天の原気、体全体の栄養状態を表わす。
三本の脉が同時に平らにふれる脉を中脉という。
寸関尺が同じ強さでうつところである。中脉が寸関尺で違う強さでうつ事はない。

比較脉診で中脉からの脉の幅の広さを判断基準にもできる。
厚みがある所が病があるところ
症状の在るところが一番強くうっている。


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